1sリポバッテリに関する考察 – 危険性・充電 / 保管方法・選定等

Electronics

evoltaではどう考えてもドローンが飛ばなそうなので,リポバッテリを使おうと思います.この記事では,リポバッテリの危険性・充電 / 保管方法・選定等に関してまとめます.

配線を短くしてドローンの出力UP(まだ飛ばず。)

リポバッテリの危険性

youtubeでリポバッテリを燃やしてみた的な動画がいっぱいあるのですが,このサイトを見る限りちゃんとしたバッテリを買ってちゃんと保管をしておけばそこまで危険ではないのかなという感じはします.

リポバッテリの危険性をわかりやすく教えてくれている動画としては,以下がありました.

正しく使おうリチウムポリマーバッテリー 〜危険がいっぱい〜(1)

トラブル発生原因は主に以下の三点です.

発生原因具体的なケース
ショート・ドライバーでバッテリを貫通させる等物理的にダメージを与える
・正極と負極をコードでつなげてしまう
過充電過剰な電流で充電する(たとえば,1sに9.9Aを流して充電したら爆発する)
→専用充電器を使うことで回避
過放電・リポバッテリの放電能力を超えるモータを使う
・リポバッテリの電圧が落ちているのに使い続ける

他にもyoutubeでリポバッテリの危険性について訴えている方がたくさんいらっしゃるので,以下にまとめておきます.

もしものために逆接続防止用のダイオードを導入しているサイトもありました.何らかの逆接続防止策は必要そうです.

リポバッテリの安全な取り扱いについて,かなり詳しく述べているサイトはコチラです.リポバッテリが発火する際のメカニズムは以下のようです.

では、なぜ化学的に不安定になると、電解液は発火してしまうのでしょうか。下図に示したように、満充電状態や過充電状態の負極では、約150℃を超えると自己発熱が止まらなくなる“熱暴走”状態が起こります。 同様に正極では、200℃で“熱暴走”状態になります。そして280℃くらいになると、電解液の熱分解が起こって正極の成分である酸素と反応、つまり発火してしまうのです。また、電解液は、消防法上は危険物第四類第2石油類にあたる灯油に近い可燃性の液体であるため、激しく燃えます。

https://sites.google.com/site/uassurveycouncil/dian-chi/richiumuionbatterino-an-quanna-qu-xiito-fei-qinitsuite

熱暴走して燃焼が止まらない状態になるんですね…非常に怖いです…

また,以下のようなバッテリを使うと発火の危険があります.

  • 重いものを乗せる,落とす,切る,曲げる,ぶつけるなどの損傷を与えたバッテリ
  • 水に濡れているバッテリ,電解液漏れしているバッテリ
  • 膨らんでいるバッテリ

保管方法

保管の際に守るべき点は,以下です.

  • 鋭利なものと一緒に保管してはいけない.(ドライバやカッターなど)
  • コードを切りっぱなしにしておかない.
  • 万が一燃えても良いようなもの(ガラスや防火性能のあるケース)で保管する.
  • リポバッテリを使い終わったら機体から外す.
  • バッテリが以下に当てはまらないかを確認し,問題がある場合は処分する.
    • バッテリが水に濡れている or 液漏れしている
    • 傷が付いている
    • バッテリが膨れている
  • リポバッテリは22〜28度で保管する.
  • 保管時はストレージモードで,3.8V程度で保管する.

処分方法

自分でリポバッテリを処分する際は,3%〜4%の食塩水を作り,その中に1日つけておく必要があるそうです.こうすることで,リポバッテリ内に溜まっている電気をすべて放出することができ,安全に処分できます.この処分方法で処分する際は,基本的に屋外で行う必要があるそうです.この記事だと,十分な水の量(1L程度)と容器を熱で溶かさない工夫(金属製のもので底上げしてその上にリポバッテリを置く等)が必要と述べられています.ここまですると万全そうですね.

ただ,リポバッテリーはわざわざ自分で処理しなくても,家電量販店やホームセンターに設置されている小型電池回収BOXへ入れるだけで処分できるみたいです.

リポバッテリーはわざわざ自分で処理しなくても、家電量販店やホームセンターに設置されている小型電池回収BOXへ入れるだけで処分できる。回収BOXを利用する際は、放電のために塩水につける必要はなく、バッテリーの電源端子をビニールテープで絶縁するだけでOKだ。

https://hikakaku.com/blog/all-category/powertools/tool-battery/11464/

保管方法・処分方法に関しては,主に以下の動画を参考にさせていただきました.

正しく使おうリチウムポリマーバッテリー 〜危険がいっぱい〜(2)

充電方法

充電の際に守るべき点は,以下です.

  • 飛行直後に充電するとバッテリの劣化につながるので,時間を置いてバッテリの熱が冷めるまで待ってから充電する.
  • 必ずリポバッテリ用の充電器で充電する.(ニッカドバッテリ用の充電器で充電しない.)

このサイトを主に参考にさせていただきました.

新品のリポバッテリを使うときは

新品のリポバッテリを使うときは,慣らし充放電をすべきらしいです.慣らし充放電とは,バッテリの性能と寿命を健全に保つために,低い充放電レートで新品のリポバッテリの充放電を複数回行う,いわば儀式のようなものです.

※リポバッテリーをご使用開始する前に充電器のサイクル充放電機能を使用して慣らし充放電を行って下さい。慣らし充放電を行うことで電解質の活性化を促し、内部抵抗を下げリポバッテリーをより良い状態にします。 慣らし前に使用を開始されますとセルの不活性な部分が残ってしまい、性能を十分に発揮できないだけでなく バッテリーの寿命を著しく短くしてしまいます。可能な限り以下の手順で慣らしを行って下さい。 充電器のサイクル充放電機能で充放電を行って下さい。 充電→放電をインターバル1分程度で3回~4回行い、放電する時の最低電圧は3.3Vに設定します。 充放電レートは0.8~1Cに設定して行って下さい。(中略)注意:放電を行う際に機体に取り付けて中スローでの飛行やホバリングで慣らし放電を行わないで下さい。 放電レートが高すぎますのでバッテリーに負担をかけます。

https://www.aircraft-japan.com/ja/charger-battery/batteries/single-cells/g5-50cmax-1s-320mah-4-2v-max-lipo-w-jst-connector

この記事でも慣らし充放電について解説されています.以下の方法が推奨されています.たとえば,500mAh のリポバッテリなら①で0.1Aで充電することとなります.各動作のインターバルは1分ほどです.

① 0.2C充電で満充電
② 0.4Cで放電(3.4Vまで)
③ 0.7C充電
④ 1C放電
⑤ 1C充電
⑥ スロットルを絞って(20%位で)フライト

https://burariweb.info/drone/lipo-battery-breakin-work.html

墜落・発火等のトラブル時は…

墜落してしまった場合は後から発火する可能性もあるので,15分以上は様子を見守り,バッテリが膨らんでこないか・発熱しないかを注視する必要があります.

実際に火災が起こってしまった場合の消火方法に関してですが,このサイトによると消火するまで大量の水をかけ続ける必要があるそうです.砂や粉末消火器,防火布等での消火活動も有効だそうです.

リポバッテリの選定

どれくらいの電流を流せるかは,電気容量(capacity) x 放電率(discharge rate)で計算できるようです.さらに,電気容量 x 放電率 x 0.8が安全に電流を流せる範囲であるようです.

There is often a rule of thumb that multiplication of capacity and the discharge rate will give the current that the batteries can supply. To be on the safe side also need to add 20% of safety margin – we do not want the batteries to explode do we?

https://www.instructables.com/id/Arduino-micro-Quadcopter/

私のドローンの場合は1つのモータにつき最大3A程度,つまり4つのモータで12A程度最大で電流を流せればいいかと思っています.安全率も考慮して15A以上の電流が流せるようなバッテリを選定しようと思います.

購入に関しては,このサイトで紹介されていたHobbyKingか,どろをたさんにリプで紹介していただいたAir Craftを使おうと思います.

Air Craftで選定してみましたが,今回の用途だと以下の6つが候補に入るかと思っています.

No.電気容量放電率充電率重量寸法コネクタ電流
1320mAh通常:25-30C
最大:50C
推奨:5C
最大:6C
10g50 x 25 x
5mm
JST通常:8-9.6A
最大:16A
2580mAh通常:30C
最大:60C
推奨:1-5C
最大:6C
15g60 x 17 x
7mm
PH2.0通常:17.4A
最大:34.8A
3600mAh通常:30C
最大:60C
推奨:1-5C
最大:6C
15g40 x 24 x
13mm
JST通常:18A
最大:36A
4550mAh通常;25-30C
最大:50C
推奨:5C
最大:6C
14g61 x 19 x
7mm
JST通常:13.75-16.5A
最大:27.5A
5550mAh通常;25-30C
最大:50C
推奨:5C
最大:6C
13.6g59 x 18.3 x
6.2mm
PH2.0通常:13.75-16.5A
最大:27.5A
6240mAh通常;25-30C
最大:50C
推奨:5C
最大:6C
7.03g30.6 x 20.2 x
6.3mm
PH1.5通常:6-7.2A
最大:12A

2,3は少しオーバースペックで6は少し不十分かと思うので,1,4,5を購入しようと考えています.2と3に関しては,4.2V および 4.35V の両方で使用できるそうです.

充電器の選定

上記の表の1,4,5を買うことにしたので,JSTとPH2.0のコネクタに対応している必要があります.これを満たす充電器を選定すると,以下の2つが候補に上がります.(ネットの情報を参考にするとmCPXとPH2.0は同義と認識しています.もし違ったら教えてくださいm(_ _)m)

残念ながら2021/2/13時点だとSpektrumの充電器は売り切れているので,ハイテックのものにしようかと考えています.

まとめ

今回の記事では様々なサイトを参考に,リポバッテリについて勉強しました.リポバッテリは高エネルギー密度のバッテリなので,危険と隣り合わせなのですね.しっかり危険性と対策を学べてよかったと思います.

今回は1sのバッテリのみについて考察しました.2s以上だとセルごとに電圧差が無いかも確認する必要があるそうです.

コメント